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クリップクッカーで、パッキングとキャンプ飯の可能性を拡大 ソロキャンプ飯の基本ギアとキャンプ飯を解説するよ
2025.04.25

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キャンプのメインイベントといえば、自然の中で食べるキャンプ飯。特に夕飯にこだわることで、キャンプの楽しみが凄く広がるよ。
ファミリーキャンプや大人数のキャンプであれば、調理器具をたくさん使った手間を楽しむ調理もアリだけど、ソロの場合はなるべく楽な調理、楽な食材で、でも少しでも豪華な料理を実現したいところ。そこで今回はソロキャンプにおける基本的な調理器具、具体的にはバーナーやクッカー、さらにはコンビニ食材などを活かした簡単レシピも紹介していくよ。
1.バーナー選びは調理の快適さを支える重要ポイント
キャンプにおける調理器具で絶対に欠かせないのが熱源、つまり火元。焚き火やアルコールストーブでの調理も可能ではあるけれど、使いやすさや敷居の低さ・安定した調理という面を考えると、やっぱりバーナーが調理の中心になるはず。
逆に言えば、バーナーを主体にすることで、焚き火やアルコールストーブも活用しやすくなるよ。
そんなバーナーは、大きく分けて2種類。家庭用のカセットコンロでも使われるカセットガスボンベ、つまりCB缶を使うものと、アウトドア専用設計のOD缶を使うもの。
各々特長やメリット、デメリットを見ていこう。
・縦型OD缶タイプの特長
OD缶のODはOutDoorの略。その名の通り、アウトドア用、特に山岳用途にも対応できるよう開発された経緯から、コンパクトな構造と耐圧性能が特長。
バーナー部分については、比較的ゴトクの大きなものもあるけれど、主流はやっぱり山岳イメージの超コンパクトなモデル。
構造上、OD缶に対して縦にバーナーをマウントする構造なのも特長。ホースでバーナー部をオフセットするタイプのバーナーもあるけど、どうしてもかさばるので、主流は縦型。
またCB缶と比較して缶の耐圧強度が高いので、高圧ガスを充てんすることが可能。それにより標高の高い山岳などでも使用しやすくなってるよ。
・OD缶&バーナーのメリットとデメリット
最大のメリットはコンパクトさ。そして構造上充填圧が高くてできることから、極端に標高の高い山岳や寒冷地でも比較的安定して使用しやすいこと。
デメリットとしては、コンパクトさからくるゴトク部分の小ささ。
また、OD缶は一般的なコンビニなどではほぼ販売していないため、ガス欠の際に新しいガス缶を入手するのが難しいのもデメリット。CB缶よりも専門性が高いため、価格面でもやや高め。
一般的なキャンプ場では、高圧ガスによる低気圧下での着火性能などの恩恵も受けにくいことので、コンパクトさ以外はあまりメリットを享受できないかも。
OD缶&バーナーでキャンプをする場合は、念のため予備缶の確保など、準備をお忘れなく。
・横型CB缶タイプの特長
CB缶タイプのバーナーは、一般的なカセットコンロなどでも使用されるカセットガスボンベを使ったバーナー。
OD缶と違い、横方向にボンベを設置するので、垂直荷重についてはOD缶バーナーより有利。ゴトクの大きさ、安定性も特長。また、ゴトクの安定性をさらに向上させるアフターパーツも豊富だよ。
バーナーに関しては、OD缶のバーナーよりもやや大型なのが主流で、キャンプでの定番はイワタニのジュニアコンパクトバーナーと、sotoのST-310。
また、イワタニのマイクロキャンプストーブや、sotoのst-350など、軽さやコンパクトさにこだわったモデルもあるよ。
流通量が多いことから、価格的にもOD缶よりかなりコスパ高め。またスーパーやコンビニでも取り扱っているので、キャンプ中にガスが切れてしまってもなんとかしやすい。
サイズは一般的なカセットガスだけでなく、カセットガスジュニアなど、コンパクトなものも。さらに充填ガスや構造を変更することで、標高の高いところや寒冷地に強いCB缶もあるよ。
・CB缶&バーナーのメリットとデメリット
CB缶のメリットはなんといっても、コンビニエンスストアやスーパーでも購入可能という、取り扱いの多さ。キャンプ中にガスが足りなくなったとしても比較的入手は容易。また、非常に普及している規格のため、価格もOD缶と比較してリーズナブル。
バーナーについては、山岳向けよりもキャンプ向け製品が多いため、安定性の高いゴトクや脚を採用した製品が多く、調理がしやすい。
デメリットとしては、OD缶よりやや大きめ。ただ、調理のしやすさとトレードオフの関係になるので、一概にデメリットとは言いづらいところも。
あと、CB缶はカセットコンロにも使えるし、災害時など万が一の備えとしてもアリだと思う。
・キャンプ用ならCB缶&バーナーがオススメ
CB缶&バーナーとOD缶&バーナーは、どちらも非常に魅力的なギアが多いけれども、一般的なキャンプで調理を楽しむのであればCB缶&バーナーがオススメ。
なんといっても調理のしやすいバーナーが多いし、CB缶の入手しやすさは魅力。ただ、冬の山キャンプのように、極端に気温が低いサイトに行く場合は、キャンプ用CB缶などを用意しておくことで、より快適にキャンプを楽しむことができるよ。
2.ソロのクッカー選びは、パッキング性能と各種調理への対応力が大事
キャンプ用のクッカーといえば円筒状で複数のクッカーをまとめたクッカーセット定番。また、海外の飯盒であるメスティンも超人気。
円筒状のクッカーセットはフライパンや鍋、ものによってはケトルなど複数のクッカーが無駄なくまとまるのが特長。ただ、クッカーの数が多いだけあってサイズはやや大きめ。また円筒という形状から、パッキング時に隙間ができやすいという側面も。
メスティンに関しては、スクエアな形状によるコンパクトさが最大の魅力。基本的には飯盒なので、煮炊きはできても焼き調理は少々何度が高め。焦げ付きやすいという弱点も。快適な調理を楽しむというよりは、どちらかというと工夫を楽しむ人向け。メスティンを使うなら、個人的にはフッ素加工をしたモデルがオススメ。
クリップクッカーはパッキング性能と煮炊き、焼き調理も快適なソロキャンプ飯の味方
ソロキャンプにおけるクッカーの不満点を解消したのが、クリップクッカー。スクエアな形状、そして重ねることのできるフライパン&鍋という、従来クッカーの良いとこどり。また、クリップクッカーという名称の通り、ハンドルがクリップのように脱着可能なので、クッカーでありながらお皿としても使いやすいよ。もちろん洗う時にもラクチン。また、一人分の調理には十分な大きさだけど、アルミ製なのでかなり軽量。
では、ちょっと詳しく見ていこう。
構成は、鍋、蓋、フライパン、そしてクリップハンドルの4点構成。
クリップハンドル部は、専用の収納袋に入れることで、鍋を傷つけずに収納可能。
鍋のサイズは約900ml。一人分の食事を作るには十分な容量。
鍋の内側部分には、容量の目盛りと、炊飯の目安になる目盛り。これがあるとないでは実際のキャンプ調理で快適さが全然違う。
フライパンはおよそ、16.6cm×11.1cm。深さは約0.7cm。ちょうど一人分の調理に良いサイズ感。
フライパン部分は表面がフッ素樹脂加工されており、板厚も1.5mmが確保されているので、焦げ付きを気にせずに焼き物調理を楽しむことができるよ。
蓋部分はフラットな形状なので、パッキング時にも無駄なく収納可能。
取っ手部分は折り畳み式。シリコンが装着されているので、調理の熱を軽減。金属のままだと蓋を取るときにミトンやグローブが必要になっちゃうからね。
クリップハンドルはワンタッチで脱着できる構造。装着時は挟むだけ。リリースするには上部の爪を引くだけ。慣れると本当に自由自在に脱着できるようになるよ。鍋・フライパンともに、長辺方向にも短辺方向にも装着可能。なので調理のしやすい位置にセットできるのが凄く便利。
クッカーとしての基本性能だけじゃなく、パッキング性能も非常に優秀。
円筒状のクッカーは、どうしてもパッキングした時に四方にデッドスペースが出来てしまうけど、クリップクッカーはスクエア形状なので、無駄なくパッキング可能。
スクエア形状であれば、縦置きや横置きなど、積み方を工夫することで無駄な失くすことができるのも嬉しい。
3.クリップクッカーで、簡単かつ豪華っぽいキャンプ飯を
バイクでのキャンプツーリングだと食材はなるべくコンパクトにしたい。でも、出来るだけ満足できる調理にしたい。コンビニとかで優秀な食材を売ってたりするので、そうしたものを活用しつつ、ちょっとした料理をクリップクッカーで実際に作ってみるよ。炊飯用の目盛りのおかげでご飯を炊くのも簡単だし、やや大きめの鍋により、様々なキャンプ飯を楽しむことができるよ。
・クリップクッカーでカツ丼を作ってみる
クッカーの鍋部分にある目盛りを使えば簡単に炊飯ができるので、それを活かして丼料理。せっかくなのでカツ丼を作ってみるよ。
なるべく簡単に作りたいので、買ってきたのがコレ。セブンイレブンの冷凍かつ煮皿。それと1合分の無洗米。
流れとしてはクッカーの鍋部分で米を炊飯。そして冷凍カツをフライパンで暖めていくよ。
まずはお米。
お米の持ち運びについては、1合分であればジップロックのSSサイズにちょうど収まるよ。
無洗米にすれば研ぐ手間がなくなるし、とぎ汁の処理も考えなくて良いので環境にも優しい。 炊飯については、向かって右側の目盛りを参考にしてね。
1合の炊飯なら、1合の米を入れて目盛りまで水を入れるだけ。
こんな感じね。なるべく平らなところで測るのが大事。
そしたら30分から1時間くらい吸水させよう。蓋をして放置しておくだけ。
30分から1時間経過したら火にかけよう。
目安としては、沸騰するまでは中火からやや強火。沸騰したら弱火で約15分くらい。
ただ、自分は結構ずぼら飯なので、時間とかはあまり気にせず蓋開けてチェックしつつ程よくなるまで火にかけてる。
ただ、強火にしすぎたり完全に目を離すのはちょっと怖いので、お気をつけを。
蓋の隙間から蒸気が出てきて、コトコト言い出したらあと一息。
自分は炊き具合のチェックで気軽に蓋を開けちゃう派。水分が残ってたら、程良くなるまで加熱していこう。
良い感じに炊けたら、布に包んでひっくり返して蒸らし工程。
このままほっといて、カツ部分を作るよ。
冷凍のカツ煮なので、フライパンでしっかり暖めていこう。
中まで暖めるために上下ひっくり返したりも。カツが重いので長辺側にハンドルをクリップ。
水分量が足りなくて焦げてしまいそうなら、少し水を足すと加熱が楽になるよ。
十分に加熱出来たら後はご飯に乗せるだけ。
蒸らしておいたお米も良い感じ。
クリップクッカーの鍋部分は結構深いのでこぼれることを気にせず大胆に載せることが出来た。
これで簡単かつ丼完成。
このドカベンみたいな形状が、ちょっと重箱みたいでかわいい。
カツ丼は良いね、無条件に元気が出る。
・クリップクッカーで具沢山ミートソースパスタを作ってみる
米料理の次はパスタ。
SNSでも話題になったレシピが発祥だと思うんだけど、コンビニのハンバーグを活かすことで具沢山の激ウマミートソースにするという、今や定番の人気レシピ。そこに、キャンプ定番の生パスタ風調理を組み合わせることで、簡単生パスタ風贅沢ミートソースにするよ。
まずは麺から。
パスタを半分に折ることで、お米と同様ジップロックSSサイズにシンデレラフィットするよ。持っていくときはこのままクリップクッカーに収納すれば非常にまとまりが良いよ。
では生パスタ風調理。といってもやり方は簡単。
お米みたいに、1時間くらい吸水させておいて、その後沸騰させると生パスタみたいな仕上がりになるというもの。
ちなみにこの茹で方をする場合、自分は一般的な太さ1.6mm、茹で時間7mmのものでやってる。一度だけ早ゆでタイプでやってみたら悲惨な出来上がりになったので、早ゆでタイプの場合は普通に茹でた方が良さげ。
まずはクリップクッカーの鍋部分にパスタを入れて水を入れよう。水の量は適当だけど、少な目よりは多めの方が良いんじゃないかな。
この状態で1時間くらい放置。
おおよそ1時間くらい経ったら、ソースの準備。今回使うのはセブンイレブン「金のハンバーグ」。
この中にハンバーグとハンバーグソースが入ってるんだけど、手でハンバーグを潰して肉たっぷりミートソースにするというわけ。
潰したらクリップクッカーのフライパンに出して加熱。潰し具合はここでもある程度調整出来るよ。
ハンバーグ&ハンバーグソースだけだと、酸味がちょっと足りないかもなのでケチャップを追加。
こういう小分けのケチャップを用意しておくと携帯しやすし便利よ。
あとはしっかりと暖めていくだけ。ソースがしっかりと加熱出来たら一度フライパンを降ろして、パスタを茹でるよ。
麺が固まったりしないよう混ぜながら沸騰するまで加熱。
沸騰したら。すぐにバーナーから降ろして蓋をしておこう。
鍋を沸騰させてる間にさっき作ったソースが少し冷めたはずなので、再び加熱。
せっかくなので溶けるチーズも追加。
あったまればソース完成。
鍋から茹で汁を捨てて、ソースをオン。結構細かく取っ手の付け替えをするのが、逆に楽しかった。
というわけで具沢山ミートソースの完成。
取っ手が外れるので、クッカーをそのままプレートとして使えるし、見栄えも良いのよね。
元々金のハンバーグが凄く美味いので、パスタにしても非常に美味。
キャンプ飯らしく、簡単かつ食べ応えと見映えのあるオススメ料理ですよ。
4.まとめ
キャンプ飯の満足度はキャンプの楽しさを大きく引き上げてくれる大事な要素。非日常な空間での美味しい料理は本当に最高なので、様々な自分好みのメニューにぜひ挑戦してみてね。クリップクッカーなら、焦げ付きやすい赤身のジビエ肉とかも気軽に楽しむことができるよ。
クリップクッカー同様に、スクエア形状でパッキング性能の高いスクエアケトルでカップ麺を作るだけでも楽しいよ。