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テントに広大な前室を追加できるマエヒロシェルターは、単体でシェルターやタープにもなる万能ギア
2024.10.03
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マエヒロシェルターは、さまざまなテントに広大な前室を追加できるというこれまでにないキャンプギア。前室を追加するというとイメージがわきにくいかもしれないけど、イメージとしては小川張りの進化系。小川張りを、簡単手軽に設営できるようにしたのがマエヒロシェルターなのだ。テントとの組み合わせはもちろん、単独でもシェルターとして活用できるなど、これまでにない新たなスタイルのキャンプギアなので、実際のサンプルをもとに詳しく掘り下げてみるよ。
1.マエヒロシェルターで小川張りの弱点を解消
まずはデイトナアウトドアのテント、「ハーフドーム」に組み合わせたマエヒロシェルター。テントがそのまま巨大になったような、スムーズなシルエット、そして広大な前室部分を実現した最新ギア。進化した小川張りを実現するアイテムともいえるかも。
マエヒロシェルターの特長は、アーチ状ポールによる半自立式ともいうべき構造と、開閉可能な入口の存在、そして後端部の形状。
ただ、マエヒロシェルターを掘り下げる前に、通常の小川張りをおさらい。
これまでの主流である小川張り、つまりテントにタープを組み合わせる設営方式では、テントの後部にポールを立てて、そこからセッティングテープでタープを引っ張る。そして反対側の前部分を高さのあるポールで立てて、タープ側面部分からガイロープでペグダウンして完成。
つまり最低限、2本のポールと専用セッティングテープ、そして複数のガイロープが必要になるんですよ。サイド部分にポールを使う場合はもちろんさらに準備が必要。
そんな小川張り最大のメリットは、テントにタープが合体することによる居住空間の拡大。もちろん居住空間は間違いなく広くなるし、見た目もすごくカッコいい。ただ、広い居住空間を作ろうとすると、どんどん敷居が上がってくるのよね。
出典webオートバイ スーパー・カブカブ・ダイアリーズ(https://www.autoby.jp/_ct/17344441)より
自分でもキャンプツーリングで小川張りをやってみたことあるんだけど、タープが相当大きくないと思ったほど広いスペースが確保できないし、でっかいタープって結構かさばるというか荷物が相当増えるんですよ。
具体的には、ソロ向けの小型タープだとスーパーカブすら覆いきれなかった。左右部分についても、ガイロープを使って地面にペグダウンすると、天井がすぼまって窮屈な感じになるのよね。少しでも空間を広くしようと思うと、ガイロープをなるべく離れた位置まで伸ばすことになるので、夜中に足を引っかけたりしがちだったりも。これは自分の注意力が低いからかもだけど。
そこでマエヒロシェルター。
前側は、ドームテントにトンネルテントが引っ付いたような形状。
アーチポールを使うことで、幅と高さを両立しつつ、前側の開口部を最大限に大きくしてるのよ。
後部はテントに載せるように設営することで、後ろ側のポールとセッティングテープがなくても設営できるようになってる。
テントとマエヒロシェルターの隙間も少ない、というかほぼ引っ付いてるので、隙間からの雨も大幅に減少。
設営簡単で、特別なアイテムも必要なし。しかも作り上げる空間の広さはとても広い。小川張りのひとつの理想形といえるんじゃないかな。
あと、小川張りで大事なルックスだけど、中央部分になだらかなアールがあるし、見た目の完成度も非常に高いよ。
デイトナ アウトドアG.森山さん「既にソロキャンプテントをお持ちの方にお勧めできるシェルターです。一般的なソロキャンプ用ドームテントと組み合わせることができるよう、形状にはこだわりました。高さ100~125cm、幅が220cm以内のドームテントであれば、組み合わせることができます。テントの買い替えせずに、マエヒロドームのような快適なツーリングキャンプをできるようになればと思って開発を行いました」
2.各種テントにマエヒロシェルターを装着してみる
高さ100~125cmで幅220cm以内ということだけど、実際にはどんな感じなのか。数字だけだと、正直ピンとこない。
なので、自分の手持ちをはじめいくつかのテントを集めて持ってきたので、実際にテントに装着してみたよ。
まずはモンベルのクロノスドーム2。
モンベルのキャンプ向けテントですね。さすがモンベル、キャンプ向けとはいえ軽さや収納性に優れている。ただ、前室は控えめなので、マエヒロドームの装着でキャンプの快適性は凄く向上しそう。テントのサイズは、高さ130cmで幅230cm。幅がちょっとオーバーしてるけど大丈夫かな、と思ったら余裕だった。
お次はバンドックのソロドーム。これも非常にコンパクト軽量な一張り。
個人的にも思い入れの強いテントだけど、決して広くはないので、人を選ぶかも。テントでは寝るだけ、という人ならすごく良いと思う。マエヒロシェルターを装着してみるとこんな感じで、三倍位でかくなる。ちなみにテントの幅は200cmで高さは110cm。
ラストはコールマンによるツーリングテントの大定番、ツーリングドームst。
広い前室にフルクローズインナーなど、ソロテントというものの完成度を高めた金字塔。これも非常に思い入れのあるテントなんだけど、唯一グラスファイバーポールなのがちょっと苦手なので、アルミポールバージョンが出て欲しい。マエヒロシェルターを装着するとこんな感じ。テントサイズは幅210cmの高さ100cm。
元々、前室はかなり広いツーリングドームだけど、さらにドン。逆に言えば、ツーリングフドームの前室を荷物置きにすることで2.5ルーム的な使い方もできそう。
3.フルオープンもフルクローズも自由自在
さて、細かく詳細を見ていこう。
これまでの「タープによる小川張り」との大きな違いが前面部分。タープを使った小川張りでは、クローズさせるというのはなかなか難しいんだけど、マエヒロシェルターはフルクローズ可能。もちろんクローズ状態でも十分な容積を確保してるよ。この開口部のおかげで正面からみると、あたかも巨大なトンネルみたいな感じ。
つまりテントにタープを組み合わせるという小川張り的なニュアンスだけじゃなく、テントに巨大な前室を追加するギアという印象が強いかも。
開口は、中央だけを開けることもできるし、すべてを開放することも可能。さらに左右部分だけを開くこともできるんだけど、これが秀逸でフルクローズ状態での出入りは左右どちらかからが便利。何が便利かというと、中央部分は開口部がほんとにでっかいので、左右部分の方が気軽に出入りしやすいのよね。
デイトナ アウトドアG.森山さん「マエヒロドームは、広い前室を作ることで高い快適性や居住性を実現できるよう開発されました。おかげさまで好評をいただいたのですが、マエヒロドームのような広い前室を他のテントにも実現できないかというのが開発のきっかけです。さまざまなテントをマエヒロにできるのが、マエヒロシェルターのコンセプトですね。広大な前室ですので、プライベート空間を保てるようフルクローズ状態にできる、というのも重要なポイントです。例えばテントから離れる際、盗難対策としてテント内にギアを収納しますよね。解放されたタープだと外から丸見えですが、マエヒロシェルターならばフルクローズにするだけで人目を避けることができます」
4.居住空間をチェックしてみる
実際にマエヒロ部分に男二人でくつろいでみた。中央部を開放してることもあり、相当広い。あと、撮影当日は強風だったんだけど、中に入るとさすがに快適ね。
感覚的には、ファミリー向けの2ルームドームテントやトンネルテントの前室位のサイズ感。
天井高さはかなり高くて160cm。この高さもアーチポールの恩恵なんだけど、おかげで窮屈さはほとんど感じない。
こんだけ広いとバイクを入れてくつろぐこともできそう。やってみよう。
せっかくなので、バイクだけじゃなくチェアやテーブルも入れてみたけど、想像以上に余裕たっぷり。バイクの横でくつろいで食事することも可能な広さ。
この開口部、左右2本のファスナーで開くので、オプションのアルミポールを使うことでさらに展開可能。
やってみるとこんな感じ。太陽光が入り込むのも防いでくれるし、雨除けの効果も凄そう。
5.小川張りの常識を超える設営の簡単さ
一般的な小川張りでは、慣れないと一人での設営は結構難しいんですよ。特に2本のポールにテンションを掛けるのが大変なので、仮止め用のガイロープを駆使するか、人に手伝ってもらうかしないとかなり手間取る。
マエヒロシェルターでは、アーチポールにスタンディングテープを組み合わせることで、一人でも素早く簡単に設営が可能になってるのよ。
この、黒い線みたいなのがスタンディングテープね。
これがあることで、アーチポールを組み立てるのが凄く楽になるんですよ。実際に設営をしてもらったので、見てみよう。
まずは、マエヒロシェルターをテントに被せて、後端のガイロープを地面に仮ペグダウン。
そしたら次は、アーチポールをマエヒロシェルターのスリーブに通そう。
スリーブに通したアーチポールをセッティングテープのハトメ穴にはめ込むよ。
あとは、セッティングテープの端点をはじめ、各部を調整しつつペグダウンしていくだけ。
完成サイズはかなりでっかいけど、半自立型とでもいうべき構造なので、一人でも特に苦労はないはず。テントに対して多少斜めでも設営出来ちゃうけど、なるべく綺麗に仕上げた方が見栄えも良いので、調整はこだわりたいかも。
小川張りをやったことのある人なら、この簡単さが伝わるはず。スタンディングテープの恩恵が凄いのよ。
デイトナ アウトドアG.森山さん「スタンディングテープの採用については、アーチ形状にしたいというのが先にあったからです。タープでの小川張りを色々試してみたんですが、苦労の割にあまり広くないと感じたんです。広さについてはタープの選択にもよりますが、同時に天井の窮屈さも気になったんです。そこで、トンネルテントの形状を取り入れることで、天井空間の広さと設営の容易さを取り入れました」
6.巨大な空間に反して、収納サイズは超コンパクト
デイトナアウトドアアイテムの特長のひとつにある46コンセプト。これはGIVIトップケースやサイドケース、さらには各種シートバッグへの積載を考え、収納サイズの全長を46cm以内に収めるというもの。
マエヒロシェルターもそのコンセプトは守られていて、わずか44cm×Φ10cという超コンパクト収納。さらに重量はわずか1.3kg。設営した時のサイズから考えると、びっくりするほどコンパクトに納まる。
収納ケース自体には、パッキングに便利なパルステープが装着されてて、これもこだわりのギミック。
デイトナ アウトドアG.森山さん「キャンプで雨が降った時、つまり小川張りが非常に有効なシチュエーションですが、その場合マエヒロシェルターは一番最後に片づけることになると思います。その場合、雨に濡れたタープをシートバッグの中に入れるのは他の荷物への影響も大きいですよね。そうしたストレスを生まないよう、シートバッグに外付けできるようパルステープを設けました。また収納袋はゆとりを持ったサイズにしているので、雨に濡れたマエヒロシェルターを収納袋に入れる際にも、最低限の雨をはらえばそこまで苦労することはないと思います」
7.コンパクト収納と軽さの秘密は素材にあり
タープって、大型になればなるほど想像以上にかさばるんですよ。でも、マエヒロシェルターはサイズが大きいのにやたらと収納サイズがコンパクト。その理由は、20Dリップストップナイロンという超軽量素材の採用によるもの。また、アルミのA7001を採用したアーチポールも軽さに貢献してる。
#開発者コメント
デイトナ アウトドアG.森山さん「これは他のマエヒロシリーズでもこだわっているポイントですが、軽量化のため山岳テントなどに使用される薄くて強度のある20Dナイロンを使用しています。一般的なテントやタープに使用されるポリエステルに比べて軽さや強度が高く、十分な耐水性をもつなど非常に多くのメリットがありますが、素材が高価なんですよ。大きなタープにここまで贅沢に高級ナイロン生地を使用してるのは珍しいと思います」
8.単独使用でシェルターやタープ泊にも
テントをマエヒロにするマエヒロシェルター。シェルターという名がついている通り、実は単独でシェルターやタープ的な利用もできるのよ。ちなみに夏場での日よけや風よけに使われるのがシェルターね。熱中症対策などの観点からも需要が高まっており、身近なところでは夏の公園なんかでも良く見かけるはず。
シェルターとして使う際のやり方は簡単。テントにかぶさる後端部分を地面にペグダウンするだけ。さらにオプションの専用ポールを使うことで、空間を拡大することもできるよ。
この状態で、床面積が330cm×280cm、高さが160cmという、かなり大きな空間を作り上げることができる。
シェルターなので、デイキャンプやピクニックなど、さまざまなアウトドアシーンでの風よけや日よけとして活躍してくれるはず。収納サイズも小さいので、気軽に持っていくことができるよ。
再びバイクとチェアとテーブルを入れてみたけど、案の定余裕ですね。ストレスなし。この日は風が強かったので、一度入ると出たくなくなるのが難点。
近所のバイク仲間とデイキャンプ場にラーメンツーリングに行ったりするんだけど、そういう時の風よけにも凄く良さそう。
9.あこがれのタープ泊もマエヒロシェルターなら楽々実現
後端にオプションポールを使用した状態であれば、インナーテントを組み合せてのタープ泊も可能。
ちなみにタープ泊というのはテントを使わずタープだけで寝ることね。ベテランキャンパーに愛好者の多い、いわば上級者向けキャンプスタイル。テントインナーやバグネットを組み合わせることで、通気性が良く、収納コンパクトなタープ泊を楽しむことができるぞ。虫がいない状況であれば、さらに上級者向けにはなるけど、コットだけで寝るというのもアリ。
デイトナ アウトドアG.森山さん「マエヒロ部分だけでイメージされると、狭そうに思われるかもしれないですが、タープポールが無いこともあってかなり快適ですよ。注意していただきたいのが、アーチ状のポールは構造上しなりが発生するので、強風時はテントを使用してください」
10.先行予約は3月下旬より
マエヒロシェルターの気になる発売については、先行してMakuakeにて2024年3月下旬より予約が開始予定。
さらに2024年3月22日(金)~3月24日(日)に東京ビッグサイトで開催される第51回東京モーターサイクルショーでの展示も予定されてるよ。予約開始など、最新情報はDAYTONA OUTDOOR公式LINEにて配信されるので、気になる人は友達追加を。
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11.まとめ
すでに持っているテントの居住性を、簡単にそして大幅に向上させてくれるマエヒロシェルター。キャンプの質をワンランクアップさせてくれるので、一度使ったらその魅力にハマってしまうこと請け合い。軽量コンパクトなテントを快適広々テントにするのはもちろん、快適なテントをさらに快適にしたり、単独でタープとして使ったりと可能性は使い手次第。個人的には、デイキャンプ場でのラーメンツーリングなどで活用をしていきたい。もちろんキャンプやツーリング以外にも、海水浴などでも活躍するぞ。